IBMとNVIDIA、世界最速ディープ・ラーニング・エンタープライズ・ソリューションで提携


TOKYO - 01 12 2016:
2016年12月1日

IBMの新しいPowerAIソフトウェア・ツール・キットおよび、IBMのPOWERアーキテクチャー向けに最適化されたNVIDIAのNVLinkとGPUDLライブラリーを組み合わせることで、Caffeを用いてAlexNetで2倍のパフォーマンスが達成可能に


[米国ユタ州ソルトレーク・シティー - 2016年11月14日(現地時間)発]

IBM(NYSE:IBM)とNVIDIA(NASDAQ:NVDA)は本日(現地時間)、IBMとNVIDIAの最新テクノロジーに最適化された新ディープ・ラーニング・ツールで提携したことを発表しました。このツールは、コンピューターをより高速化し、かつ人間のように思考し学習できるように訓練するのに役立ちます。

Rack of IBM's New OpenPOWER LC Servers

ディープ・ラーニングとは、急成長を遂げている機械学習方式で、何百万件もの断片的なデータを処理し、そのデータから最も重要な特徴を検出しランク付けすることで、情報を抽出します。幅広い消費者向けWebアプリケーションやモバイル・アプリケーションの大手企業がすでに対応を進めており、その他の企業においてもディープ・ラーニングへの取り組みが急務となっています。

ディープ・ラーニングやその他のAI機能は、銀行業界では顔認識による高度な不正検出、自動車業界では自動運転車、小売業界では会話の理解と質問への応答がさらに向上したコンピューターによる完全自動コールセンターなど、幅広い業界で使用されています。

本日発表した新しいディープ・ラーニング・ソフトウェア・ツールキット「IBM® PowerAI(英語)」は、2016年9月に発表されたAI向けIBMサーバー上で実行され、IBMのPOWERアーキテクチャーに最適化されたNVIDIA NVLinkインターコネクト技術を実装していることが特長です。このハードウェアとソフトウェアを組み合わせたソリューションにより、Caffeを用いてAlexNetを実行する同等の4 GPUサーバーの2倍以上のパフォーマンスを実現します。*1 4つのGPUを搭載する POWERベースの構成で、BVLC Caffeを用いてAlexNetを実行する場合、M40 GPUを8個搭載するx86構成のパフォーマンスを上回り*2、主要なディープ・ラーニング・フレームワークの2つのバージョンにおける、世界最速の商用エンタープライズ・システム・プラットフォームとなっています。

Caffeは広く使用されているディープ・ラーニング・フレームワークで、Berkeley Vision and Learning Center(BVLC)により開発され、テクノロジー業界では最も有名なディープ・ラーニング・コミュニティ・アプリケーションの1つと認められています。Caffeは「IBM PowerAI」ツールキットで使用できる5つのディープ・ラーニング・ソフトウェア・フレームワークの1つです。このツールキットでは、cuDNN、cuBLAS、NCCLなどのNVIDIA GPUDLライブラリーをNVIDIA SDKの一部として活用し、IBMのサーバー上でマルチGPUアクセラレーションを実現します。

「IBM PowerAI」は、Power Systems LCモデルのラインナップの中で、最もパフォーマンスの高い「IBM Power S822LC for High Performance Computing(HPC)」で動作するように設計されています。このサーバーは、POWERアーキテクチャーとNVIDIAの最新GPUテクノロジーに最適化されたNVIDIA NVLinkを実装していることが特長です。この新たなソリューションは、AI、特にディープ・ラーニングの新しいコンピューティング方式をサポートします。また、「IBM PowerAI」は、IBMのコグニティブ・ソリューション・プラットフォームである「IBM Watson」につながる道筋にもなっており、ディープ・ラーニングのいくつかの学習方式を用いてWatsonをトレーニングすることで、エンタープライズ分野でのWatsonの専門知識を拡張します。

OpenPOWER担当のゼネラル・マネジャーであるケン・キング(Ken King)は、次のように述べています。「PowerAIは、企業のデータ・サイエンティストや研究者に、容易に利用でき、AIの探求を加速するためのプラットフォームを提供することにより、ディープ・ラーニングやその他の高度な分析テクノロジー活用を加速します。AI向けに構築されたIBMのハイパフォーマンス・コンピューティング・サーバーと組み合わせることで、カスタマー・エンゲージメント用のチャットボットやソーシャルメディア・データのリアルタイム分析といった用途を問わず、IBMはAIベース・ソフトウェアを作成する企業向けの最適なプラットフォームを提供できると確信しています」

アクセラレイテッド・コンピューティング・グループの副社長兼ゼネラル・マネジャーであるイアン・バック(Ian Buck)氏は、次のように説明しています。「IBMとのNVIDIA NVLinkに関するイノベーションのにより、ディープ・ラーニングとアナリティクスの市場におけるPOWERの新たな機会が開かれています。PowerAIに搭載されているNVIDIAのGPUDLライブラリーによって、ディープ・ラーニング・アプリケーション向けの世界レベルのハイパフォーマンス・ツールが提供されることになります」

「IBM PowerAI」は、「IBM Power S822LC for HPC」サーバーを利用するお客様に無料で即時提供されます。「IBM PowerAI」は、単一のS822LCサーバーで稼働するように設計されていますが、数十台から数百台、場合によっては数千台規模の大規模スーパーコンピューティング・クラスターでの運用を目的に拡張することも可能です。

NVLinkの利点
「IBM PowerAI」は、Caffe、Torch、Theanoなどの、広く使われているディープ・ラーニング・フレームワークからなる一連のバイナリー・ディストリビューションです。サポートされているそれ以外のディストリビューションとして、Caffeディープ・ラーニング・フレームワークのIBMバージョンとNVIDIAバージョンであるIBM-Caffe、NVCaffeなどもあります。IBMは、「IBM Power S822LC for HPC」サーバーにNVIDIA NVLinkインターフェース内蔵の「IBM POWER8」チップを搭載することを最近発表しましたが、それぞれのディストリビューションは、その機能を利用できるように最適化されています。

NVIDIA NVLink接続機能を搭載する「IBM POWER8」は、OpenPOWER FoundationにおけるIBMとNVIDIAのオープンなコラボレーションの成果である最先端のプロセッサー設計です。この新しいチップは「IBM POWER8」CPUサーバー・アーキテクチャーと、新しいパスカル・アーキテクチャーであるNVIDIAのTesla P100 GPUアクセラレーターとの間で緊密な統合を実現します。「IBM Power S822LC for HPC」内で統合されるCPUとGPUは、高速のNVIDIA NVLinkインターコネクトによって相互に接続されます。CPUとGPU間、GPU間における類のないインターフェースを利用することにより、多くのIntel x86ベースのサーバーで利用されているPCIeインターフェースにおけるボトルネックが解消されます。「IBM PowerAI」ツールキットは、この新しいNVLinkベースのサーバー・アーキテクチャーを活用することで、最先端の人工知能、ディープ・ラーニング・アプリケーション、機械学習アプリケーションのパフォーマンスを最適化します。

IBM Power S822LC for High Performance Computingへの関心の高まり
「IBM PowerAI」と組み合わせて利用するハードウェア「IBM Power S822LC for HPC」サーバーは、9月に提供が開始されました。パフォーマンス上のメリットがあるこのサーバーは、世界有数の調査機関、クラウド・サービス・プロバイダー、ビジネス企業から大きな関心を集め、需要が非常に高まっており、毎年2倍のペースで成長するLinux on Powerシステム関連の売上に大きく貢献しています。

「IBM Power S822LC for HPC」の初期ユーザーは以下のような用途にサーバーを活用しています。

「IBM PowerAI」は、http:// www.ibm.biz/powerai(英語)からダウンロードできます。

NVIDIAのディープ・ラーニングについて詳しくは、http://www.nvidia.com/deeplearning(英語)をご覧ください。

(1) Top-1の精度が50%のAlexNetトレーニングに基づく。次の2種類の構成を比較。IBM Power S822LC for HPCの構成: 16コア(8コア/ソケット)4.025 GHz、NVIDIA Pascal P100 GPU 4基を搭載;512 GBメモリー;Ubuntu 16.04.1でNVCaffe 0.14.5を実行。IBM Power S822Lの構成:20コア(10コア/ソケット)3.694 GHz、NVIDIA M40 GPU 4基を搭載;512 GBメモリー;Ubuntu 16.04でBVLC-Caffe f28f5ae2f2453f42b5824723efc326a04dd16d85を実行。両構成のソフトウェア・スタック詳細:G++ - 5.3.1、Gfortran –5.3.1、OpenBlas - 0.2.18、Boost –1.58.0、CUDA 8.0 Toolkit、Lapack –3.6.0、Hdf5 –1.8.16、Opencv –2.4.9。

(2)次の2種類の構成を比較。IBM Power S822LC for HPCの構成:20コア(10コア/ソケット)3.95 GHz、NVIDIA Pascal P100 GPU 4基を搭載;512 GBメモリー;Ubuntu 16.04 LEでIBMバージョンBVLC 1.0.0-rc3を実行。Intel E5-2640v4 (Broadwell):20コア(10コア/ソケット)3.6 GHz、NVIDIA M40 GPU 8基を搭載;512 GBメモリー;Ubuntu 16.04 LEでBVLC-Caffe 985493e9ce3e8b61e06c072a16478e6a74e3aa5aを実行。両構成のソフトウェア・スタック詳細:G++ - 5.4、Gfortran .4、OpenBlas - 0.2.19、Boost .58.0、CUDA 8.0 Toolkit、Lapack .6.0、Hdf5 .8.16、Opencv .4.9。

当報道資料は、2016年11月14日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。
https://www.ibm.com/press/us/en/pressrelease/51057.wss (US)

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