IBMのワールド・コミュニティー・グリッドを活用したよりジカ熱の治療研究がスタート

クラウドソーシングによる研究プロジェクトが消耗性疾患治療の研究者を支援

TOKYO - 08 7 2016:
2016年7月8日

[米国ニューヨーク州アーモンク - 2016年5月19日(現地時間)発]

IBM(NYSE: IBM)のワールド・コミュニティー・グリッド・チームはジカ熱治療の研究者たちと協同でジカ熱を治療する候補薬を発見する国際的な研究を開始します。ジカ熱は、急速に蔓延するウイルスによる疾病で、世界保健機関(WHO)は、この蔓延に対し、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を宣言しています。

IBMと世界的なジカ熱研究チームの科学者達は、コンピューターやAndroidデバイスを持っている全ての人に#OpenZikaプロジェクトへの参加を呼びかけています。このプロジェクトを支援するために時間や専門知識、資金を提供する必要はなく、自分のWindows、Mac、Linux、Androidのデバイスがアイドル状態のとき自動的に開始する仮想実験のアプリケーションを実行するだけです。

OpenZikaプロジェクトを通し、ワールド・コミュニティー・グリッドは、重篤な神経障害と関連があるとされているジカ・ウイルスを治療する、抗ウイルス剤の主成分を構成する化合物の候補に関する仮想実験を支援します。このプロジェクトは、従来の研究室で可能であったスピードよりもはるかに速く、ジカ・ウイルスのタンパク質および結晶構造のモデルと比較することにより、既存の分子データベースから化合物をスクリーニングしていきます。スクリーニングの結果は、研究コミュニティーと一般社会にただちに共有され、見込みのある化合物は、協力者の研究室でテストされることになります。

ワールド・コミュニティー・グリッドは、ゴイアス連邦大学がブラジルで率いる国際的な研究チームと共同でOpenZikaプロジェクトを進めており、ブラジルのオズワルド・クルス財団(Fiocruz)、ニュージャージー州立ラトガース大学医学部Collaborations Pharmaceuticals, Inc.カリフォルニア大学サンディエゴ校スキャッグス薬学・製薬科の支援を受けています。

ブラジルのゴイアス連邦大学教授でOpenZikaプロジェクトの主任研究員であるカロリーナ・H・アンドレード博士(Carolina H. Andrade, Ph.D)は、次のように述べています。「ワールド・コミュニティー・グリッドのボランティア支援を得て、第1フェーズだけで2,000万個以上の化合物に対して計算処理による評価が可能になり、将来のフェーズでは、最高9,000万個の化合物の評価が見込めます。ワールド・コミュニティー・グリッドでOpenZikaプロジェクトを実行すると、プロジェクトの規模を大きく拡げることが可能になり、ジカ・ウイルスに対する抗ウイルス剤開発に向けた成果を得られるスピードが加速されます」

暖かい季節が北アメリカに近づくにつれ、治療に対するニーズは切実なものとなります。ジカ・ウイルスを運ぶ蚊が繁殖しやすい環境になり、海外旅行者がウイルスに感染し、伝染させるためです。

他の抗ウイルス研究の成果についても期待が見込めます。IBMリサーチとシンガポールのバイオ工学ナノテクノロジー研究所が、ジカ熱など、致死率の高いウイルス感染症の予防に役立つ可能性のある高分子を発見したと発表 (US)したのはその一例です。IBMは、その他エボラ出血熱などの病気の流行に対し、専門知識とリソースを提供しています。たとえば、IBMのワールド・コミュニティー・グリッドでは、エボラ出血熱の研究プロジェクト (US)を開始しています。

さらに、IBMは、政府が病気の流行を追跡する支援もしています。シエラレオネにおいて、国民の政府への関与を上げ、入手した情報を分析するシステム (US)を提供しました。これによりエボラ出血熱の影響を受けた市民が、課題や懸念事項について直接政府とコミュニケーションを図れるようにしました。公衆衛生の緊急事態のために、IBMリサーチは人々の感情と報告される流行地域の相関を表す、人々の声を基にしたヒートマップも作成しました。さらにIBMの研究者は、無償のオープン・ソース・ツール (US)を作成しており、研究者と公衆衛生の担当者が、ジカ熱などの感染症の発生に関する空間的、時間的モデルを作成、利用、研究する支援をしています。

IBMは、社会課題への革新的な解決策に重点を置いた社会貢献プログラムの一環として、2004年にワールド・コミュニティー・グリッドを立ち上げ、研究者にとって不可欠なスーパーコンピューター並みの演算能力に対するニーズに応えています。IBMのSoftLayerクラウド・テクノロジーで一部をホストするワールド・コミュニティー・グリッドは、スーパーコンピューター並みの膨大な演算能力を研究者に無償で提供しています。これを実現するために、ボランティアのコンピューターやAndroidデバイスの余剰計算能力を活用しています。80カ国、470の研究機関の約750万人が使用する300万台以上コンピューターとモバイル・デバイスが、ワールド・コミュニティー・グリッドの20件を超えるきわめて重要なプロジェクトに、スーパーコンピューター並みの演算能力を仮想的に提供しています。この取り組みは開始以来11年にわたり、5億米ドルを超える価値に匹敵すると評価されています。

ワールド・コミュニティー・グリッドは、今までに、研究者による小児がんの治療薬候補を新たに発見する支援、より効率的な太陽電池用新素材の発見、ナノテクノロジーにより効果的に水をろ過する方法を発見する支援をしています。これらの成果の多くは、IBMのワールド・コミュニティー・グリッドによるスーパーコンピューター並みの演算能力がなければ試みられなかったかもしれません。

このような計算処理による実験を行うため、OpenZikaの研究者は、スクリップス研究所のオルソン研究室が開発し、広く普及しているAutoDock VINAと呼ばれる仮想スクリーニング・ツールを使用しています。この中核で、ワールド・コミュニティー・グリッドは、全米科学財団のサポートを受け、カリフォルニア大学バークレー校で開発されたオープン・ソース・プラットフォームであるBerkeley Open Infrastructure for Network Computing(BOINC)により実現されています。

ボランティア希望者は、ワールド・コミュニティー・グリッドに参加し、ジカ熱治療のためのOpenZikaの研究をサポートできます。IBMも、研究プロジェクトの提案書を提出し、この無償のリソースを活用するよう研究者に呼びかけます。IBMの社会貢献活動の成果について詳しくは、http://www.citizenibm.com/ (US)をご覧いただくか、Twitterを@CitizenIBMをご参照ください。

当報道資料は、2016年5月19日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。
https://www.ibm.com/press/us/en/pressrelease/49778.wss (US)

関連する XML feeds
Topics XML feeds
Corporate
Healthcare and Life Sciences
No description at this time.