IBM、新たにWatson Groupを設置


TOKYO - 10 1 2014:

2014年1月10日

IBM、新たにWatson Groupを設置し、増大するコグニティブ・イノベーション需要に対応

[米国ニューヨーク州アーモンク2014年1月9日(現地時間)発]

IBM(本社:米国ニューヨーク州アーモンク、会長、社長兼CEO:バージニア・M・ロメッティ、NYSE:IBM)は本日、クラウド・サービスで提供するコグニティブ・イノベーションの開発と商用化を手がける新部門、IBM Watson Groupの設置を発表しました。複雑な問いに対し、思考、学習によって向上し、膨大なビッグデータから答えと洞察を見いだす新しいソフトウェア、サービス、アプリケーションの市場への投入を推し進めるIBMにとって、この動きは戦略的シフトの表れといえます。

IBMは、Watson Groupに10億ドルを超える投資を行い、研究開発、そしてクラウドで提供するコグニティブ・アプリケーションおよびサービスを市場に提供することに重点的に取り組みます。IBMはIBM® Watson Developers CloudでWatsonを利用した新しいコグニティブ・アプリケーションを開発する新興企業や企業によるエコシステムを最近立ち上げましたが、これを支援するためのベンチャー投資として1億ドルがこの投資に含まれる予定です。

技術調査会社のGartner Inc.によれば、スマート・マシンはこれまでにITがもたらした中で最も破壊的な変化となり、人がさらに効果的に力を発揮し、「不可能」を可能にさえするものになるだろう、としています。1

IBM Watson Groupは、ニューヨーク市の技術集積地区である「シリコン・アレー」のAstor Place 51に新たに本部を置き、各業界や職種に変革をもたらすWatsonのコグニティブ・テクノロジーのデザイン、開発、採用推進を目指して約2,000人のプロフェッショナルの才能を活用します。この新しいグループでは、IBMの研究、サービス、ソフトウェア、システム各部門の専門家や、医療、金融サービス、小売、旅行、通信などコグニティブ・コンピューティングが破壊と進化を遂げることができる市場を特定する業界の専門家を活用します。

イノベーションと市場の変革に向けたIBMの新たな促進剤

最近までIBMソフトウェア・ソリューションズ・グループのシニア・バイス・プレジデントとして、ビジネス・アナリティクス、スマーター・コマース、スマーター・シティーズ、ソーシャル・ビジネスなどの高成長分野に業界に特化したソリューションの提供を担当していたMichael Rhodin(マイケル・ローディン)がIBM Watson Groupを率います。

IBM Watson Group の主なイニシアチブは、クラウドを介したコグニティブ・イノベーションの提供を加速するための研究開発を引き続き推進していくことです。

このイニシアチブの一環として、IBMはWatsonをSoftLayer上に展開する予定です。SoftLayerは、IBMが買収した企業で、クラウド・コンピューティングのインフラを提供しています。

IBM Watson Groupの設置に加え、IBMは、Watsonのコグニティブ・インテリジェンスに基づく3つの新しいサービスを発表しています。

IBM Watson Discovery Advisorは、製薬や出版などの業界における調査実施方法に革新をもたらします。Watson Discovery Advisorは、生成された何千もの検索結果をかきわけてユーザーが情報を探さなければならないような既存の調査ツールから大きく進歩しています。IBM Watson Discovery Advisorは、今日の調査担当者が直面している膨大な量のデータドリブン・コンテンツを掘り下げ、作業をスピードアップできるようなつながりを明らかにします。

IBM Watson Analyticsは、ユーザーが高度な分析トレーニングを受けなくても、視覚的な表示を通じてビッグデータの洞察を探ることができます。このサービスでは、データ発見過程で入り込む一般的な阻害要因が取り除かれるため、ビジネス・ユーザーは自分のデータから独力ですばやく新しい洞察を見いだすことができます。Watson Analyticsは、高度なアナリティクスと自然言語インターフェースに基づき、データを自動的に用意し、最も重要な関係を明るみにし、視覚に訴えるわかりやすいインタラクティブな形式で結果を表示します。

IBM Watson Explorerは、企業や組織がビッグデータのイニシアチブをより迅速に開始できるよう支援しながら、社内各所のユーザーがデータドリブンな洞察をより容易に導き出し、共有できるようにすることを目的としています。Watson Explorerは、ユーザーにデータドリブンなすべての情報をまとめて表示できるビューを提供するとともに、ビジネス・ユーザー、データ・サイエンティスト、および対象となるさまざまな業務の人々が任意のトピックを包括的かつコンテキストに合わせて表示できる、情報豊富なアプリケーションを開発するためのフレームワークにもなります。

コグニティブ・イノベーションと探求の拠点

シリコン・アレーのWatson Groupの本部は、Watsonのクラウドで提供するコグニティブ・インテリジェンスに基づく新製品や新ビジネスを創出、導入するためのテクノロジー、ツール、および才能ある人材を提供するビジネス・インキュベーターとして機能します。その結果として、ビジネス・パートナーは、産業と社会の課題を解決し、現在満たされていない市場の要求に応える各社のビジョンを実現するための支援を得ることができます。

また、Watson Groupの本部のクライアント・ソリューション・センターでは、IBMのお客様がコグニティブ・テクノロジーを体験し、それがお客様のビジネス変革にいかに役立つかを知っていただくことができます。さらに、IBMのお客様とパートナーが利用するコグニティブ・アプリケーションおよびサービスのユーザー・エクスペリエンスを継続して高めていくためのデザイン・ラボも主催する予定です。

さらに、Watson Groupは、開発スキルなどのトピックでワークショップやセミナーを開催し、ネットワーク作りの場を提供していきます。このようなイベントは、コグニティブ・コンピューティング、ビッグデータ、アナリティクスなどの分野でキャリアを積む学生を育てるためにIBMが展開してきた、1,000を超えるアカデミック・パートナーシップを踏まえて実施されます。これには、Watsonに触発されたビジネス・技術課題、新しいカリキュラム、大学への助成、インターンシップなどがあります。

コンピューティングとビッグデータ・ディスカバリーのターニング・ポイント

米国のテレビのクイズ番組「Jeopardy!」での勝利から約3年、IBMはWatsonをゲームプレイのためのイノベーションから、商用テクノロジーへと進歩させました。クラウドで提供され、新しいコンシューマー・アプリケーションや企業アプリケーションに利用できるようになったWatsonは、24倍高速化し、パフォーマンスも2,400パーセント向上し、よりスマートになりました。また、IBMはWatsonを、主寝室のサイズからピザの箱を3個重ねた大きさにまで縮小し、90パーセント小型化しました。

IBMの創始者であるトーマス・J・ワトソン(Thomas J. Watson)にちなんで名付けられたIBM Watsonは、IBMの基礎研究所で開発されました。自然言語処理とアナリティクスを活用して情報を処理するWatsonは、組織が迅速にビッグデータを分析、把握し、対応策を講じる能力に大きな転換点が訪れたことを象徴する存在です。自然言語で出題された複雑な質問にすばやく正確に確信をもって解答するWatsonの能力は、さまざまな業界で意思決定のあり方を変革しています。

IBMは、さまざまな医療機関と協力し、Watsonの能力を利用したソリューションにより、医療の実施、支払い、および学習方法を変革する手助けをしてきました。このような事例には、メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター、ウェルポイント、テキサス大学MDアンダーソンがんセンター、ケース・ウエスタン・リザーブ大学のクリーブランド・クリニック・ラーナー医科大学などとの共同プロジェクトがあります。

2013年5月、IBMは、企業が顧客とのエンゲージメントを深め、認識を新たにするうえで役立つ、Watson Engagement Advisorを発表しました。DBS銀行やニールセンなどの大手企業が現在、Watsonを顧客エンゲージメントにどのように役立てられるかを模索しています。

2013年11月、IBMはWatsonをクラウド上の開発プラットフォームとして提供し、ソフトウェア・アプリケーション・プロバイダーがコグニティブ・コンピューティングのインテリジェンスを注入した新世代アプリケーションを構築できるようにすることを発表しました。ここには、アプリケーション・プロバイダーがWatsonを利用したアプリケーション(WatsonのAPIなど)を開発するためのリソースを活用できる、クラウドでホストされたマーケットプレイスのWatson Developers Cloudも含まれます。2014年には、ビジネス・パートナー3社がWatsonアプリケーションで市場に参入することを計画しています。Fluidは顧客によるショッピングの方法を変革するアプリケーションを、MD Buylineは病院の機器購買支援アプリケーションを、Welltokは会員のエンゲージメントを深められるヘルス・プランのアプリケーションを、それぞれ投入する予定です。現在、760を超える応募者が、企業や消費者の意思決定の方法を変えるコグニティブ・アプリケーションを作成するアイデアを共有しています。

IBMは、8つの大学と協力してWatsonの機能を開発しました。IBMは、3年以上をかけて、アカデミック・イニシアチブを通じてさまざまな学術的プログラムを導入し、現在の学生が将来コグニティブ・コンピューティングのリーダーとなるための土壌を作ってきました。このような取り組みの一例として、コネチカット大学(UConn)、ロチェスター大学、および南カリフォルニア大学(USC)による、Watsonを中心とした事例コンペティションがあります。また、IBMは、ミシガン州立大学やUConnなどと協力してWatsonに触発されたカリキュラムを作り、さらに追加のコースワーク促進を支援するために助成も行っています。その他、Watsonインターンシップ・プログラムや、IBMからロチェスター工科大学へのWatsonテクノロジーの寄贈などがあります。


IBMについて
IBMのWatsonの詳細は、こちらをご覧ください。
http://www.ibmwatson.com (US)

1 「The Disruptive Era of Smart Machines Is Upon Us」、#G00257743、2013年9月30日、Gartner, Inc. Tom Austin著

当報道資料は2014年1月9日(現地時間)にIBM Corporationが発表したものの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。
http://www.ibm.com/press/us/en/pressrelease/42867.wss (US)

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