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磁気テープ・ストレージで新記録を樹立、クラウド・ストレージにおける磁気テープの競争力を強化

ストレージ密度の向上により、磁気テープのロードマップが今後10年間にわたって継続的に拡張する可能性を示す

TOKYO - 02 8 2017:

2017年8月2日

[日本・つくば - 2017年8月2日(現地時間)発]

IBMの研究チームは磁気テープ・ストレージにおいて2006年以降5度目の世界新記録を達成しました。新記録となる面記録密度201Gb/in2(ギガビット/平方インチ)は、ソニーストレージメディアソリューションズ株式会社が開発したスパッタリング磁気テープの試作品を用いて実現しました。同チームは、本成果をつくば市で開催されている第28回Magnetic Recording Conference (TMRC 2017)で本日発表しました。

テープ・ストレージは近年、膨大な量のバックアップ・データやアーカイブ・データに加え、ビッグデータやクラウド・コンピューティングといった新しい用途のデータを格納するための、最も安全かつエネルギー効率が良く費用対効果に優れたソリューションとなっています。

新記録となった面記録密度は、IBM® TS1155 エンタープライズ・テープ・ドライブ (US)をはじめとした最新の磁気テープ・ドライブで使用されている面記録密度を約20倍上回り、約330テラバイト(TB)の非圧縮データ*を、手のひらに収まるサイズのテープ・カートリッジ1巻に記録することに相当します。330テラバイトのデータは、書籍3億3,000万冊分のテキストに相当します。これは、日本の最北東端から最南西端までの距離をやや上回る長さの書棚を埋めてしまうほどの量です。

磁気テープ・データ・ストレージは現在、復興期を迎えています。IBMの研究チームはこの成果により、磁気テープのロードマップが今後10年間にわたって継続的に拡張する可能性を示しました。

IBMフェローのエヴァンジェロス・エレフテリオウ(Evangelos Eleftheriou)は、次のように述べています。「磁気テープは従来、ビデオのアーカイブ、バックアップ・ファイル、災害復旧用のレプリカ、オンプレミスでの情報の保持に使用されてきましたが、最近ではクラウド上のオフプレミスのアプリケーションにも拡大しています。スパッタ磁気テープは、バリウム・フェライト(BaFe)を使用する現行の磁気テープと比較して製造コストが多少高くなると予想されます。しかし、極めて大容量のデータを格納する可能性を考えると、1テラバイト当たりのコストは非常に魅力的となり、クラウド上のアクセス頻度の低いデータに対して現実的な選択肢となるでしょう。」

IBMの研究チームは、1平方インチ当たり2,010億ビットを達成するため、次のような新しいテクノロジーを開発しました。

  • ノイズ予測検出原理に基づいた、データ・チャネル用の革新的な信号処理アルゴリズム。48nmの極狭幅のトンネル磁気抵抗(TMR)リーダー使用時でもなお、818,000ビット/インチの線密度で信頼性の高い動作を実現。
  • 7nm以上の精度でヘッドの位置決めができるようになる先進的なサーボ制御技術。この技術を48nm幅の(TMRの)ハード・ドライブ読み取りヘッドと組み合わせることにより、最新のTS1155ドライブの13倍に相当する、1インチ当たりのトラック数246,200のトラック密度を実現。
  • 非常に平滑なテープ・メディアの使用を可能にする、新しい低摩擦テープ・ヘッド・テクノロジー。

IBMは、数年間にわたりソニーストレージメディアソリューションズと緊密に協力し、面記録密度の向上に取り組んできました。この協業の成果は、磁気テープの長尺化に必要な高度なロール・ツー・ロール技術や、より優れた潤滑剤の技術など、メディア・テクノロジーにおいて磁気テープの機能を安定させるための様々な改良をもたらしています。

面密度のデモンストレーションで開発および使用された技術の多くは、後続の磁気テープ製品に取り入れられています。2007年の注目すべき2つの例として、先進的なノイズ予測最尤読み取りチャネルと第1世代のBaFeテープ・メディアが挙げられます。

IBMには、磁気テープ・データ・ストレージにおけるイノベーションの長い歴史があります。IBMの最初の商用テープ製品となる726磁気テープ装置が発表されたのは60年以上前のことでした。この製品では、約2メガバイトの容量を持つ1/2インチ幅テープのリールが使用されていました。本日発表した面記録密度は、IBMのテープ・ドライブ製品第1号の1億6500万倍という容量の増加が実現可能であることを示します。この発表は、磁気テープ技術におけるIBMの変わらぬ取り組みとリーダーシップを改めて示すものです。

高解像度画像:https://www.flickr.com/gp/ibm_research_zurich/44742q

動画:https://youtu.be/Wm1JiI6CppU(英語, YouTube, 2分12秒)

* TS1155フォーマットと同じフォーマット・オーバーヘッドを想定し、より薄いデモテープで6.4%増のテープ長が実現されることを考慮に入れた場合。TS1155 JDカートリッジは、長さ4.29インチx幅4.92インチx高0.96インチ(109.0mm x 125mm x 24.5mm)のフォームファクターに15 TBの非圧縮データを格納可能。

論文「201 Gb/in² Recording Areal Density on Sputtered Magnetic Tape」の詳細については、http://ieeexplore.ieee.org/document/7984852/(英語)をご覧ください。

IBMおよび磁気テープ・ストレージの歴史に関する詳しい情報については、http://www.ibm.com/ibm/history/ibm100/us/en/icons/tapestorage/ (US)をご覧ください。

磁気テープ・テクノロジーに関する詳しい情報については、http://www.research.ibm.com/labs/zurich/sto/tape/arealdensity.html (US)をご覧ください。

IBMチューリッヒ研究所について
www.zurich.ibm.com


当報道資料は、2017年8月2日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。
https://www.ibm.com/press/us/en/pressrelease/52904.wss (US)

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