米国エネルギー省、研究の推進とビッグデータの課題に対処するため、IBMのデータ・セントリック・システムを採用


TOKYO - 25 11 2014:

2014年11月25日

米国エネルギー省、研究の推進とビッグデータの課題に対処するため、
IBMのデータ・セントリック・システムを採用

新システムは、米国エネルギー省の現行スーパーコンピューターと比較して最大10倍の処理能力を提供
IBMとMellanox、NVIDIAのGPU 技術を組み合わせたOpenPOWERテクノロジーが、
ローレンス・リヴァモア国立研究所とオークリッジ国立研究所における洞察とイノベーションを加速

[米国ニューヨーク州アーモンク-2014年11月14日(現地時間)発]

IBM(NYSE:IBM)は本日、米国エネルギー省からローレンス・リヴァモア国立研究所とオークリッジ国立研究所向けに、科学、工学、国家安全保障のイノベーションと発見の推進を目的とする世界最先端のデータ・セントリック・スーパーコンピューター・システムを3億2500万ドルで受注したことを発表します。IBMのデータ・セントリック手法を用いた新しいシステムは、データが存在するあらゆる場所でそのコンピューティング能力を発揮し、データの移動とエネルギーの消費を最小限に抑えます。

急速に増大するビッグデータとその管理の重要性が高まる中で、新たな発見の機会が広がる一方、科学者たちが直面する課題も増えています。世界では25億ギガバイトを超えるデータが日々生まれています。これは本でいっぱいにしたフットボール競技場2億5千万個に相当し、スーパーコンピューターにはまったく新しいアプローチが求められています。

これまでコンピューターは、ストレージとプロセッサーの間で何回もやりとりして分析を行い、洞察を得るというデータ・モデルを想定してきました。しかしこの方法では、大量データのやりとりに膨大な時間とエネルギーを必要とするため、ビッグデータへの対応を続けていくことが困難になります。コンピューターのリソースの多くはデータの移動や管理に費やされているため、より高速なマイクロプロセッサーの設計に注力するという従来のアプローチだけでは対応できないのです。

この問題に対処するため、この5年間、IBM研究員たちは、新しいデータ・セントリックの手法を開発してきました。これは、システム内のデータが存在するあらゆる場所に処理能力を組み込むアーキテクチャーであり、アナリティクス、モデリング、可視化、シミュレーションを集約させ、驚くべきスピードで新しい洞察を導くことができます。

IBM® OpenPOWER Systemsが研究所へスピードとエネルギー効率を提供
2つの研究所は、革新的なデータ・セントリックの手法を導入することにより、新しいIBMのスーパーコンピューターが最速で、最もエネルギー効率に優れたシステムとなることを期待しています。各研究所に納入されるシステムでは、研究所の現行システムと比較すると、商用のハイパフォーマンス・コンピューティング・アプリケーションの性能を5~10倍に高めつつ、5倍以上も優れたエネルギー効率の提供が期待されています。

OpenPOWERベースのシステムは、データ・セントリック・コンピューター・アーキテクチャーを活用し、ビッグデータにおける最先端かつコスト効率に優れたモデル、シミュレーション、アナリティクスを提供します。ローレンス・リヴァモア国立研究所の「Sierra」スーパーコンピューターとオークリッジ国立研究所の「Summit」スーパーコンピューターは、データ・セントリック・アプリケーションの能力を向上させるため、5ペタバイトを超えるダイナミックなフラッシュ・メモリーを搭載し、100ペタフロップスを優に上回る能力を発揮します。このシステムは、必要に応じて毎秒17ペタバイト以上のデータをプロセッサーに移動させ(これはFacebook上の1千億枚を超える写真を1秒で移動することに相当)、洞察獲得までの時間を短縮することができます。

国立研究所はコンピューターを開放し、産学官の研究者たちがそこにアクセスし、科学・工学におけるグランド・チャレンジに取り組む機会を提供しています。従来の研究所のコンピューターは、モデリングとシミュレーションなどの技術を用いた極めて専門的な科学を扱うために最適化されてきました。研究者たちは、医療、ゲノム、経済、金融システム、社会的行動、大量で複雑なデータの可視化など多様な分野のプロジェクトにおいて支援をますます必要としています。そのため、コンピューター・システムには、データを管理し整理する他に、役立つ情報を抽出して世界の難題を解決する手助けをすることが求められています。

IBMが先駆けて開発しているデータ・セントリック・アーキテクチャーは、科学と国家安全保障のみならず、医療、製造、エンジニアリング、石油・ガスなどの産業にとっても転換を意味するものとなるでしょう。「Sierra」と「Summit」システムは、最も重要な基幹アプリケーションに利用され、米国エネルギー省のエクサスケール・コンピューターへのロードマップにおける重要なステップとなるでしょう。

OpenPOWERを活用したオープンなアプローチ

かつてないほど膨大で多種多様なデータを生成し、それにアクセスし、管理し、運用する能力を備えるには、従来のコンピューターの性質を変え、オープンなテクノロジー・プラットフォームの構築が求められます。企業や組織はデータに関わる課題、すなわちシステム設計から獲得した洞察をどのように活用するかにいたるまでを総合的に検討する必要があります。これは、データの準備、処理、可視化によって繰り返される、データが発生した時点から洞察を獲得するまでに必要なソリューション・ライフサイクル全体を見極めることを意味します。

OpenPOWERテクノロジーをモジュラー統合システムへ組み込むことにより、ローレンス・リヴァモア国立研究所とオークリッジ国立研究所は「Sierra」と「Summit」システム・コンフィグレーションを各研究所特有の必要性に合わせてカスタマイズが可能です。

NVIDIAはIBMと共同で、CPUとGPUがデータ交換をするスピードを現行より5~12倍速くする先進的なインターコネクト技術NVIDIA NVLinkを開発しました。NVIDIA NVLinkは、IBM POWER CPUとNVIDIA Volta™アーキテクチャーをベースにした次世代NVIDIA GPUに統合され、「Sierra」と「Summit」がこれまでにない処理性能レベルを実現することを可能にします。IBMはMellanoxとともに、最新鋭のインテリジェンス機能を組み込んだインターコネクトを実装し、データ処理能力を向上させます。

IBMシステムズ・アンド・テクノロジー・グループを担当するシニア・バイス・プレジデント、トム・ロザミリア (Tom Rosamilia)は、次のように述べています。「本日の発表は、爆発的に増大するデータに対応できない従来のスーパーコンピューターからの転換を示すものです。IBMのデータ・セントリック手法は、コンピューティングにおける新たなパラダイムであり、オープンなコンピューター・プラットフォームの未来とデータ増加率への対応能力を指し示すものです。ローレンス・リヴァモア国立研究所とオークリッジ国立研究所向けに開発中のシステムの素晴しさは、現在の多くの産業にわたるあらゆる規模の企業や組織が、その中核となるテクノロジーを今すぐにでも利用できることです。」

IBMは現在、IBM POWER8、IBM Elastic Storage Server、(General Parallel File Systemテクノロジーに基づく)IBM Elastic Storageソフトウェア、IBM Platform Computingなどのデータ・セントリック・テクノロジーをお客様に提供しています。

IBMリサーチは、ローレンス・リヴァモア国立研究所とオークリッジ国立研究所と協力し、これらのシステムを中心とした共同研究を行い、導入したシステムが最大の能力を発揮するためのコードを最適化するツールとテクノロジーの開発を支援します。

現行のPower SystemsとOpenPOWERテクノロジーで必要なプログラミング作業を開始しながら、新しいデータ・セントリック・システムを展開し、両研究所に2017年から2018年にかけて設置する予定です。

IBMのTechnical Computing製品・サービスの詳細については、以下をご参照ください。
http://www.ibm.com/systems/jp/technicalcomputing/

Data Centric Systemsの展望の詳細については、以下をご参照ください。
http://research.ibm.com/articles/datacentricdesign (US)



当報道資料は、2014年11月14日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLをご参照ください。
http://www.ibm.com/press/us/en/pressrelease/45387.wss (US)

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