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IBM 100年の軌跡
 

Smarter Planet

 

2008年秋、世界的な経済危機が続く中、IBMはスマートな地球(Smarter Planet)の未来の姿と、進化と成長のための新しい戦略的な課題について、世界との対話を始めました。

2008年11月6日、ニューヨーク市で開催された外交問題評議会でIBM会長兼CEOのサム・パルミサーノ(Sam Palmisano)はスピーチを行い、Smarter Planetが考えられる前提となる話と、インテリジェントなシステムとテクノロジーによるまったく新しい時代の到来について説明しました。その時代はかつてないほどパワフルで利便性の高い時代です。

ハッブル宇宙望遠鏡が物理的な宇宙に関して400年続いた考え方を変えたように、社会のシステムにインテリジェンスを注入することで、世界のしくみは大きく変わりつつありました。スピーチの中で、パルミサーノは、無数のインテリジェント化されたものが結びつけられ、膨大なデータを生み出す世界を描きました。

IBMのSmarter Planetビジョンは、3つのI、すなわち機能化(Instrumentation)、相互接続(Interconnectedness)、インテリジェンス(Intelligence)によって推進されます。とりわけ世界の多くの国々で成長が鈍化し、政府がインフラを再構築する方法を模索している中で、業界、インフラストラクチャー、プロセス、都市、そして社会全体がより生産的、効率的、かつ即応的になる方法をこのビジョンで示しました。

IBMは、世界の関心を集めている問題や課題に取り組む好機があると考えました。スマートな電力網から、スマートな食品流通システム、スマートな水管理、スマートな医療、スマートな交通システムまで、世界がよりインテリジェントになっていく様子をIBMは目の当たりにしていました。コンピューターの処理能力は、誰もがコンピューターと認識していない電話や車、道路、電力網、水道、食品ケースにまで浸透していました。そして、情報やデータがこれまで以上に収集されるようになると、それらすべてを解明する高度なアナリティクスやアルゴリズムが開発されました。

Smarter PlanetはIBMの成長戦略の最重要フレームワークとなり、先進的な考えをもつ世界各国のリーダーや市民らは、旅行者中心の交通輸送や消費者中心の電力、そして医療、水資源、公共の安全、および食料を管理するためのインテリジェントなシステムなど、革新的なアイデアを検討するようになりました。

IBMのSmarter Planetイニシアチブがスタートしてからわずか1年以内に、数百社にわたるIBMのお客様がスマートなシステムを構築する機能、性能、能力に注目し、自社やコミュニティー、都市のために数値にて測定可能な実績を実現し始めました。

スペインでは、8つの総合病院と初期治療を行う470のクリニックが、施設全体にわたるスマートな医療システムを導入しました。これにより、診療の質と経営の効率が10%向上しました。439都市を対象とした調査によると、スマートな運輸ソリューションを採用した都市では、輸送の遅延が1日に平均70万時間以上も減りました。また、業界をリードする小売業者4社も、サプライ・チェーンのコストを最大30%、在庫レベルを25%削減し、売上を最大10%伸ばしました。これは、顧客の購買パターンを分析し、需要に合わせて商品の品揃えを変え、サプライ・チェーン全体を一貫して可視化することで実現しました。

2009年、IBMはSmarter Citiesキャンペーンを開始しました。これは、都市機能の効率化、コストとリソースの削減、住民の生活の質の向上を支援する包括的なアプローチです。1年を通じて、IBMは世界各地でSmarter Cities Forumを100回近く開催しました。数千人のリーダーがこれに参加し、相互接続され入手可能な情報すべてを最大限に活用するなど、都市生活を支える複雑なシステムの変革を模索しました。

交通渋滞からエネルギー利用、持続可能なコミュニティーの構築まで、困難な課題に取り組む都市を支援するためには、新しいスキルが必要になることをIBMは理解しています。そこで、2010年にIBMは大学と連携し、学生にテクノロジーに接する機会を提供し、新しいスキルを習得するための研修を実施、学生らが世界中の都市で職につけるよう支援しました。

こうしたコラボレーションと戦略は、IBMに良い結果をもたらしています。2010年に、IBMのSmarter Planetイニシアチブは、6,000社以上のお客様との契約によって30億ドルの収益を生み、2桁の増益となりました。IBM リサーチの業務の25%以上は、モバイル・ウェブ、ナノテクノロジー、ストリーム・コンピューティング、アナリティクス、クラウドなどの分野におけるSmarter Planetプロジェクトに関する業務で、IBMではその比率を50%に倍増させようとしています。

2010年1月12日、サム・パルミサーノは新年と新しい10年の幕開けにあたり、英国ロンドンの王立国際問題研究所で「スマート化の時代」と題してスピーチを行い、数多くのイニシアチブを紹介しました。

「私たちのところにくる質問はもはや、スマートな地球を構築するテクノロジーが現実のものかどうかではありません」とパルミサーノは語っています。「スマート化を実現する方法を知りたいという強いご要望があります。」

2010年の1年間に、Smarter Planetイニシアチブは、マーケティング、販売チャネル、リサーチ、その他の領域を含むマルチプラットフォーム戦略へと発展し、IBMのテクノロジーとノウハウによって、業界や政府機関、運輸、エネルギー、教育、医療、都市、その他のビジネスがよりスマートに機能し、スマートな地球の構築に貢献できるようになりました。

IBMのSmarter Planetに関するブランド構築やマーケティング活動は、いくつかの賞を受賞しました。その主なものには、最も効果的なグローバル・キャンペーンに対して贈られる“ゴールド・グローバル・エフィー”賞やPRWeek誌の“企業ブランディング・キャンペーン・オブ・ザ・イヤー賞”などがあります。

2010年11月には、スペインのバルセロナで開催されたSmarter Industries Symposiumには政財界のリーダーたちが参加し、スマートな地球の構築について自らの体験を共有しました。IBMは、高成長を遂げている10の業界(医療、石油・ガス、エネルギー・公益サービス、運輸、通信、小売、銀行、政府機関、電機)のお客様が、スマートなテクノロジー、ソリューション、およびビジネス・プロセスのもたらす大きな可能性を生かせるよう支援することに、重点的に取り組みました。

そして2011年、高度なインテリジェンスを用いてエネルギー利用を抑え、管理効率を改善する「スマート・ビルディング」から、高度なテクノロジーを利用して地域の天然資源をより効率的に管理し、保護する「Smart Cape Cod」イニシアチブまで、IBMが数百ものスマートなシステムの成果を引き続き数値で示す中で、世界中のリーダーたちは変化を求め、新しいことにチャレンジする機会を望んでいました。